リラクゼーションサロンとまり木の代表セラピストは、がんの専門病院で作業療法士として働いていました。その中で終末期の患者さんのリハビリに関わった経験が多数あります。そのため、リンパ浮腫ケアの応用として終末期の方へのリラクゼーションを提供することが可能です。関わっていた病院では、終末期が近づいている患者様の離床が難しくなると、マンパワー不足の問題や制度上の問題等でリハビリが終了になることがほとんどでした。患者様としては離床ができなくなり身体の自由が利かなくなることで、離床していた時とは別の身体のおもだるさなどの苦痛症状を訴える方が数多くいらっしゃいます。だから、リハビリの継続を望む声は多数寄せられてはいましたが、残念ながら、リハビリの継続には至りませんでした。そして、緩和ケア病棟で、ボランティアの方がアロマを使ってハンドマッサージを行なってくれるところはよくあると思います。しかし、ボランティアでの関わりでは限界があるのも現実です。だからこそ保険診療に関係なく、リラクゼーションサロンとまり木のセラピストのような専門知識や技術を持った医療者が施術を行うことで、手だけのケアではなく、終末期のご利用者様の全身をケアをすることが可能です。
両親とのエピソード
終末期に力を入れるきっかけの一つとして、私と両親のエピソードがあります。2011年父が脚立から落ちて、突然寝たきりになりました。そして痰の吸引が必要で、気管切開を行ったため、父は話をすることも困難になりました。そして、7ヶ月間家に帰ることもなく、病院で息を引き取りました。うちの両親は夫婦仲がよく、どこに行くのも一緒でした。しかし、そんなに仲が良い夫婦でも介護経験の全くない母は、父の入院当初病院に行っても父に触れようとしませんでした。とういうより、母は自分が触れる事で自分の夫に何かあったら怖いという気持ちから触れることができなかったのです。介護やリハビリの仕事をしていた私は、父に触れることのできなかった母に、優しく父に触るタッチング方法や、髭剃りの方法を伝えました。
そのあと母は、父に積極的に触れるようになり、タッチングや髭剃りの時間が、私の両親にとって、最期の安らいだかけがえのない時間となりました。今思えば、私が母にタッチングや髭剃りの方法を伝えたことは、私が医療者として、両親に送った最期の大切なプレゼントになったと思います。このような医療者からのプレゼントを必要としている方々にぜひ届けたいという気持ちが強くなりました。苦痛症状があると、痛みにとらわれ、それ以外のことが考えられなくなりがちなご利用者様に対し、とまり木では、他動的に優しく関節を動かす・ゆっくり四肢を揺らす・タッチングを組み合わせたリラクゼーション手法を用いて、ご利用者様の苦痛症状の軽減を図ります。
また、身体症状の苦痛軽減だけではなく、会話を通してご利用者様の想いを傾聴し、気持ちの上でも苦痛症状の軽減につながるような安心して、安らいだ時間を提供できるように心がけています。そしてご利用者様ご本人が少しでも楽に過ごすことのできる、ご家族でも簡単にできるリラクゼーションの施術方法やポジショニングの方法をお伝えしています。身体を動かしたいけれど、自分では動かせなくて身体の重だるさがあったが施術を受けたら身体が軽くなったという声をたくさんいただきます。そして、なかなか眠れないと話されていたご利用者様が、施術中に寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていることはよくあります。施術を受けているご利用者様の様子を見ていたご家族から、ご本人のこんなに安らいだ表情をみるのは久しぶりという感想をいただいたことも一度ではありません。
最期の時までその人らしく輝いて生きる
とまり木では、どんな状態であろうと、最期の時までその人らしく輝いて生きることを心から応援しています。医療者の方にお願いです。今医療者の方が関わりのある患者様ご利用者様ご本人・ご家族様の中で終末期を迎えている方が、薬では取りきれない身体の重だるさや痛みで苦しんでいる方はいらっしゃいませんか?終末期の穏やかなひと時を医療者としてプレゼントするために、ぜひとまり木にご紹介下さい。病院や施設にも訪問させていただきます。